私設Blog「黒曜石の図書館」

本、言葉、文化にまつわるエトセトラ。

書籍

「彼岸過迄」読了

吉本隆明氏が推理小説だと評していた作品。 冒頭の森本の話は何だったのかなという気もしたが、柄谷行人氏に解説によれば、「吾輩は猫である」に立ち返った写生文のスタイルだということ。 吾輩=敬太郎ならば、なるほど。 この作品、漱石は適当にタイトルを…

レポート完成、一息。

最終の手直しはまだだけれど、前述のレポートが一応の完成をみた。 芥川関連の本をようやく本棚に戻せる。 今回、文献の引用の仕方など基本的な事をすっかり忘れていたので、奇跡的に残っていた大学時代のレポートを恐る恐る開いてみた。 (漱石の「夢十夜」…

「夏目漱石を読む」を読む

吉本隆明氏の「夏目漱石を読む」を読む。 講演録なので、繰り返しなどが多く、正直に言うと読みづらいと感じた。 しかし今日の大学での講義を聞いて、見方が少々変わった。 曰く 人は文字を持ってから、整然とした理論に慣れてしまった。 頭の中で論理を組み…

「暗幕のゲルニカ」感想

「暗幕のゲルニカ」を読み終えた。直木賞を逃したようだが、それは残念なことだ。 「憎しみに端を発する暴力には屈しない」というメッセージを持つ「ゲルニカ」をテーマにしたこの作品。「直木賞なら読んでみようかな」という軽い動機ででも良いから、多くの…

「ことばへの旅 上」(やっと)読了

分量がやけに多い、全然進まないと思ったら、元は3冊の本だったらしい。 じっくり読むのには大変良い本だった。 名言から哲学する、という造りだ。 著者の森本氏の体験や経験を重ね、とても易しい言葉で語られるので、難しい内容も腑に落ちる。 しかしこの方…

巻き物としての電子書籍

コミック以外の本はkindleで統一するようにしている。 (最初の頃は品揃えの足並みが揃わず、kinoppyとhontoも併用していて、数冊散らばってしまった。不満。サービスの統合は果たして将来的にあり得るか??) 品揃えには最早なんの不満もないが、アプリの使…

電子書籍に望むこと

電子書籍に切り替えて久しい。 大変便利に使っているが、どうしても困ることがある。 本の厚さが不明なので、ペース配分がわからない。 残りの%は出るけれど、特に読み始めはなかなか%が減らず、やや途方に暮れてしまう。 辞書アプリで「インデックス機能」…

「人工知能は人間を超えるか」(7/17追記)

ロボット、人工知能には昔から思い入れがある。 火曜日、NHK クローズアップ現代+で「進化する人工知能 ついに芸術まで!?」の放映があることを知る。 進化する人工知能 ついに芸術まで!? - NHK クローズアップ現代+ お、っと思い録画だけする。 水曜日…

「老子・荘子」

大切な事は全部、老荘思想にある。 少なくとも私にとっては。 「論語」に手こずって、読み終えるのが遅くなってしまったけれど、これは私のバイブルになりそうだ。 ますます、他の人と話が合わなくなるけども。 ますます、厭世的になるけれども。 スパイスが…

「西方の人」から「聖☆おにいさん」まで

合唱を続けて今年で17年。 宗教曲はこの分野を語る上で避けては通れない道なので、自ずとキリスト教には関心を持つ。 関連書籍を幾つか、芋づる式に。 「西方の人」の皮肉な論調から思い出したのは、同じく芥川の「神神の微笑」。 「我々の力と云うのは、破…

君たちは、飲み会には喜んで3,000円を払うのに

500円の文庫本を買うのは渋りますね。 (嘆かわしい) 指導教官がこう仰ったのは今も忘れられない。 昨日ブックオフで状態の良い「行人」「こころ」を手に入れる事が出来た。 今日は新品の「草枕」「彼岸過迄」を入手。 漱石先生にどっぷりと浸かろう。 紙の本…

ホラー小説「若きウェルテルの悩み」

「あらすじ名作劇場」の「若きウェルテルの悩み」の回を観る。ストーカー男が、自殺をするというホラーだったことがわかり、衝撃を受けている。 読んだことがあるのだけれど、きっとその時も え?とは思いつつ、いや、ゲーテという凄い人が書いたんだから素…

対象年齢33歳以上?

芥川龍之介の「河童」を久しぶりに読む。「或阿呆の一生」を初めて読む。 卒論で芥川を選びながら、まだ読んでいない作品が随分あって、ずっと気にかかっていた。 「侏儒の言葉」はまだ途中だけど、こんなに良い作品だったのか。 漱石も、夢十夜、坊っちゃん…

「昭和元禄落語心中」の世界

Amazonプライムでアニメを配信していたのを見つけ、ちょうどコミック電子版もセール中で、そこからあれよあれよと沼にはまって行った。 与太郎が八雲師匠に出会ったのが、ちょうど我々の生まれ年周辺らしく、その辺りにも親近感を覚える。 最終巻が待ち遠し…

近代建築建築三昧

近代建築、明治〜に作られた建物が好きだ。 一番好きなのは、悩ましいけれど、旧北海道庁あたりだろうか。 「日本の近代建築 上下」は今までナントナク眺めて来た各地の様々な建物が、こういうわけであそこに建てられていたのか、と腑に落ちた。 「西洋館を…

「入門 哲学としての仏教」を読了するも。

哲学には昔から憧れとも言うべき特別な想いを持っている。 中学1年生の時に「ソフィーの世界」を、わからないながらも、楽しく読んだ。 寺社仏閣、仏像も好きで、仏教も勉強を是非したいと思っていたテーマ。 その2つが一緒にタイトルに収まっている。 しか…

「月舟町三部作」+1

印象に残っている本が皆、従来の紙の本だと気づかされる。 もうほとんど電子書籍しか買わないし、紙の本もスキャンサービスで電子化してもらっているくらいなのだが、物事はそんなに単純ではないのかもしれない。 歩き続けて、ちょっと草臥れてしまった、そ…

アリス・マンロー

電子書籍でない本は極力買わないことにして久しいのだけれど、憧れの新潮社クレスト・ブックスで、話題のアリス・マンロー。 要件が重なったらもう読むしかない、と挑戦。 流石にノーベル文学賞、噛み応えがあった。 でも、一度味を占めればもう、他の作家に…

「ムーミン」シリーズ 読了

講談社文庫の限定版カバーが洋書のようでとても気に入り、セットで購入。 初めは、ファンタジックで、ご存知アニメの世界ともまだリンクする部分が多く比較的読みやすかった。 ところが遂にはムーミン谷から一家が出て行くし、最終巻には登場もしないという…

「職業としての小説家」v.s.「村上春樹は、むずかしい」

たまたま同時期に続けて読んだ2冊。 村上春樹氏本人は、「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」などのインタビューでも応えている通り、自分の中の深部へ潜って書く、というスタイルをこのエッセイでも貫いている。 対して加藤典洋氏は、時代背景や様々…

「漢文の素養」「漢文力」読了

齢三十を過ぎて、また大学に通うことにした。 仕事を辞めて時間が出来たので、取り損なっていた高校教諭の免許を追加で取得しようと思い立った。 「漢文学概論」なる授業を取ったのだけれど、漢文、中国史、今までどうにも興味がわかなかったので、苦手意識…