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私設Blog「黒曜石の図書館」

本、言葉、文化にまつわるエトセトラ。

「行人」と後期三部作

行人を読み終える。

 

三部作であることを考えると、

  彼岸過迄:松本叔父、家族に見放された須永

  行人       :家族、世間と隔絶する一郎

  こころ    :現世に生きる意味を見出せなくなる先生(Kも?)

孤絶が進展していくと読むしかないだろうか。

行人だけを読むと、手紙を読んだ二郎のアプローチ次第では、一郎に救済がありそうにも思える。

しかし連作として読むならば、一郎の「眠り」は結局覚めないことになる。

 

明治という唐突にやってきた文明の世は、これまで例えば刀の重さに地に足をつけてもらっていた日本人を、自由という寄る辺のない不安に誘ったことを感じる。

これらの3作品は、自由刑に処された人々の葛藤を描くものだろう。

漱石自身も生き辛さを抱えていたのだろう。

 

「こころ」はまたに機会に読み直すことにして、漱石作品は「草枕」に戻ることにする。

 

今回、10月からの講義の予習として漱石作品を消化しているため文庫を購入した。

が、青空文庫にも公開されているので、紙の本と電子書籍を併用した。

空き時間にiPhoneで少し読み進めたり、同期して続きをiPadで読んだりと、非常に読書体験が手軽だ。

紙の書籍に特典として電子書籍をつけるなど、何かしらリンクする販売方法が出来ないものか。

雑誌ならばそういうサービスもあるので、今後に期待。

 

行人 (新潮文庫)