読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私設Blog「黒曜石の図書館」

本、言葉、文化にまつわるエトセトラ。

そこで終わるか…「明暗」

書籍

良いところで終わってしまった。「明暗」。

この作品の顛末も、その後どんなものを書いたのかも、想像の余地を遺してくれたことになるかもしれない。

奇しくも100年前に連載が終了した日にちょうど読み終わったらしい。意図していなかったので驚いた。なにか運命的だ。

 

作品論などはまったく読んでいないので、勝手な感想になる。

読んでいて、今までの作品とは違う、と感じた。

津田の妻お延の視点が新鮮だ。これまで「謎である」としてきた「女性」への挑戦か。

どの場面にも人物同士の対決があるのも今までと違う。

津田 対 お延、津田 対 お秀、お延 対 小林 など

まるでロシア文学のようだ、と思う。(罪と罰を読んだことがあるくらいだけれど)

津田はいけ好かない男なので、この先に一発ガツンとやられる場面がある予定だったろうと思われるが、果たしてどういう構想だったのだろう。

(改心してお延と仲睦まじくなってくれたら良いのだが。)

 

特集番組を追いかけ観ている途中だが、虞美人草殺人事件の番組で小森陽一先生が出演されていた。

論文の断片しか拝見したことがなかったので、この期にと思い著作を購入。「漱石を読みなおす」。

 

やっと主な小説を読み終えたのでちょうど良いだろう。

今年は漱石三昧であった。来年は何をテーマに読もうか。

 

明暗 (新潮文庫)