私設Blog「黒曜石の図書館」

本、言葉、文化にまつわるエトセトラ。

「私たちは生きているのか?」読了、思うことなど。

今日は一日中、教材研究で中島敦の「山月記」に取り組んでいた。

 

人間が人間の問題を考える時、媒介するものが「人間ではないもの」である事が面白い。

そして人間の定義は?とも悩ませられる。

虎になった李徴も、森博嗣ワールドのウォーカロンも、私たちの生について思いを巡らせてくれる。

 

ネタバレとも言えるような事も含むので、以下読み終わってからどうぞ。

 

今回の舞台はアフリカ。

アフリカらしいことは冒頭のバイクに乗る場面くらいで、むしろ舞台はバーチャル世界。

バーチャルだから「あの方」が登場するかと思ったが。

 

脳だけになって、雨も降らない塵ひとつない世界で、ストレスなく生きる。

幸せだろうか?

 

ではこの雑多な世界で私たちが幸せだと感じるのはどういう時なのか。

 

月の光は、暗闇の中でしか見る事が出来ない。

幸せってそういうことだろうか。

 

「生きているものだけが 、自分が生きているかと問うのだ 。」

生きていること自体に価値を見出す。

そういうベーシックなことが案外大事なのかもしれない。

 

デボラとの交流のシーンが、なんだか優しくて良かった。

友情の定義。なるほど。

 

私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback? (講談社タイガ)