私設Blog「黒曜石の図書館」

本、言葉、文化にまつわるエトセトラ。

「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア」読了

第1部を読み終えたので、印象など書き留めておく。

 

これは、集大成かもしれない。

 

損なわれた主人公、以前の主人公たちよりも「損なわれた」点を早々自覚している。

一人称は「私」になった。「僕」からの成長?

全てが終わってからの回顧という今までにないスタイル。

ねじまき鳥と同じような井戸。

第二次世界大戦の影、ノモンハン事件を彷彿。

「妹」、ふかえりの面影。

真っ暗な風穴の中で損なわれる妹。

日本画家 雨田具彦。安田靫彦

イデアカーネルサンダース海辺のカフカ

 

「アンチ村上春樹」という存在のことを耳にした。

村上春樹作品を必要としないタイプの人もいるだろうなと思う。

必要とする人たちは、多分、自分に不足があるのを感じている人だと思う。

村上春樹は自己意識に深く潜って作品を書いているそうだが、個々の意識の深いところには何故か人々に共通のものがある。

作品を読むことで、不足を感じている人たちは村上春樹を導き手としてそれを探しに行く。

そこが村上春樹作品の本質だと思う。(スコッチとかスパゲティではなく)

満ち足りた人たちは、その過程に意味を見出さない。

そういうことかと思う。

 

第2部がどうなるのか、純粋に楽しみだ。

 

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編